企画の趣旨
今日、子どもを取り巻く社会の変化から、家庭的保育事業、保育室、認証保育、認定こども園、幼稚園、保育所など、様々な形の保育が展開されるようになってきた。また、一部都道府県においては、地方創生などの流れもあり、自然の中での保育を奨励する動きもある。これらのことから、従来型の施設保育における保育の内容や方法、質を問う時が来ているのではないだろうか。その中でも、森や里山、川、海等の自然を取り入れた保育には、保護者の期待もあり注目され始めている。また、世界でも、北欧を中心にフレーベルのキンダーガルテンの理念に基づいた森の幼稚園、森の保育園が展開され、その保育効果も報告されている。
いったい自然保育とはどのような保育なのだろうか。自然環境がなければ成立しない保育なのだろうか。日本は、世界でも有数な多様な風土と自然環境、そして日本の文化もある。また、保育は見えない教育と言われることと、保育は保育者にゆだねられていることから、実践と評価も難しい。こういった中で、それぞれの独自性を持ちながら、グローバル化やさまざまな子どもの環境の変化から、子どもの育ちについて、私たちは何をしなければならないのか考えることが求められる。これらの点からも、我が国の自然保育をどう捉え、実践し、何を育んでいけばよいのか考えたい。